「詩織は絶対にいつか彼氏できるよ!
なんなら紹介してあげようか?」

「しょ、紹介…!?」

「そ。彼氏の同期とか。
年上になっちゃうけど大丈夫?」


年上という言葉にドキリとしたのはきっと、紘毅くんが“年上”に該当するからだろう。


「しょ、紹介はさすがに…ほら、今はバイトしたいんだ」

「…えっ、詩織バイトしたいの!?」


しまったと思った。
なぜなら文香は一般入試のため、今もまだ受験シーズン真っ只中。

それなのに私は受験が終わったからってバイトを始めたいという、なんとも無責任な言葉を吐いたのだろうと。