「でも本人が言ってた。詩織ちゃん来てから、ぜーんぶ捨てたって。相当な覚悟があったみたい。詩織ちゃんと一緒に住むって決めたのに」 「…………」 「だから大事にされてるって話!私に入る隙がないくらい」 そう言って瑞樹さんはメイクポーチを取り出して、私と向かい合う。 「よし、じゃあ始めよっか」 目を閉じて、と言われた私は、そっと素直に目を閉じた。