「じゃあ早速始めよっか!でも詩織ちゃん、素顔でこんな綺麗で大人びてるんだから、ふたりともそこまで周りの目気にしなくていいのに」 「い、いえ…そんな」 「やっぱり未成年だからって、自制してるのかな紘毅も」 私の前髪をピンで留め、にこりと笑う瑞樹さんは綺麗で。 「大事にされてるね、詩織ちゃん」 「えっ…」 「実はちょっと嫉妬してる」 「……っ」 思わず目を見張る。 瑞樹さんが少し切なげな瞳をしていたから。