「じゃあな詩織、先に行って待ってる。 もし何かあればいつでも言えよ」 「あ、うん…」 「だーかーら!そんなことしないってば!」 心配の言葉をかけてくれる紘毅くんに対し、瑞樹さんは怒り口調で私をギュッと抱きしめてきた。 「早く着替えて出て行きなさいよ」 「わかったから」 食いつく瑞樹さんに呆れながらも、紘毅くんは着替えを済ませて外に出てしまった。 瑞樹さんとふたりきりになる私。 静かな空気が流れたかと思えば。