「詩織に会わせろ、詩織と話させろってうっせぇんだよ」 「……へ、わたし…?」 それは予想外だった。 相手の人が会いたいと言っているのは、紘毅くんじゃなくて私…? 「8歳も下の詩織が見たいんだって。 誰が見せるか」 「…どうして私、何だろ」 元カノが私と会いたいなんて、普通思うだろうか。 逆の立場だったら絶対会いたくないけれど。 ひとり、混乱していると、何やら紘毅くんがスマホを見てピクリと反応を示した。