それに救われたのは私のほうで。


「私のほうが紘毅くんに救われたの…お父さんとお母さんが亡くなって、私も後を追いかけたいって思ってた。でも今は、紘毅くんの隣で生きていきたい」


少し重めの言葉かもしれないけれど、これが本心である。

ギュッと、紘毅くんに抱きついた。


「そんなかわいいことするだろ?」
「かわいくない、本心」

「尚更かわいいだろ。
絶対に詩織のこと、誰にも渡さねぇからな」


紘毅くんの唇が私の首筋に当てられて。
それは先ほど同様、坂野先輩と同じ位置で。

さらにチクリと痛みが走った。