「ううー…」

「なんかお互いすっげぇ誤解してそうなんだけど、とりあえず質問していいか?」

「……うん」


紘毅くんがあまりにも優しく抱きしめるから。
優しい手つきで頭を撫でてくるから。

思わず受け入れずにはいられない。


「このキスマークは何?」
「キスマーク…?」

そんなもの、私についているのか。
ふと思い返してみた時───


「あっ」
「ん?」

「そういえば、坂野先輩が火に油を注ぐって言って首筋にキスされた…かも」


“かも”というか“そうである”けれど。