「……うう、紘毅くんのバカ…」
涙が止まらない。
紘毅くんの表情がまったく見えなくて。
こんな形で紘毅くんとひとつになるのは嫌だ。
いくら好きでも、そんなこと望んでない。
「……なんだよ、その反応」
「紘毅くんこそ何さ!
私のこと散々弄んで、意味わかんない…!」
昨日は女の人と仲良さそうにしてたくせに。
今日は私に手を出して、実はタラシなのか。
「詩織」
「知らない知らない、紘毅くんなんて大嫌いだ…!」
「なんか、うん…悪い、もう冷静になったから」
ひとりで泣いていると、ゆっくりと体を起こされて。
そのまま紘毅くんに抱きしめれる。



