「簡単に逃げられるくらいなら全部、縛ってやるよ」 ゾクリとした。 目の前の男性(ヒト)は本当に危険だと。 理解した頃にはもう、きつく唇を塞がれていた。 「んんっ…」 手加減なんてない。 優しさなんてひとつもなくて。 「やっ…どうして…」 気づけば涙が溢れていた。 片腕で自分の目元を覆う。 苦しい、どうしてこんな無理矢理なことするの?