改めて話すって、何を話せばいいのだろう。
少し緊張しながらも、コートを脱いでマフラーをとる。
「あ、ちょっとコートかけるね」
シワになってはいけないと思い、一度立ち上がってクローゼットにコートとマフラーを直した。
それから振り返って、同じ場所に座りなおそうとしたけれど。
紘毅くんがそれを許してくれなかった。
突然後ろから伸びてきた手が、クローゼットに置かれて。
すぐ後ろに紘毅くんの存在があった。
「ひ、紘毅く…」
「なんて、俺が冷静でいられるとでも思ったか?」
ビクッとした。
先ほどの穏やかな口調とは打って変わって、トーンの落とした静かな声。



