「……えっ」 驚いた。 部屋の明かりがついていたから。 どうして、と理解する間もなく。 「良かった、やっぱ帰ってきたな」 「ど、して…」 部屋から顔を覗かせたのは、安心したように笑う紘毅くんの姿。 「どうしてって、詩織がいきなり会いたくないなんて言うから。理由も聞かずに離れられるのは嫌だったからな」 「でも仕事は…?」 「代わりに明日休日出勤になった」 「えっ…」 あまりにも突然のことに驚きを隠せない。 もしかして坂野先輩はこれを見越していた?