「じゃあね、ひとりで帰れる?」 「あ、はい…!大丈夫です」 一度坂野先輩に頭を下げ、それから家を後にした。 なんだかんだお世話になったなぁと思いながら。 外に出ると寒くて白い息が出る。 早く家に帰ってバイトの準備と、それから─── 「おばあちゃん家に行く準備もしよう…」 日用品はおばあちゃん家にもあるから、服だけ持っていけば良いだろう。 バイトが終わってから直で行こうか。 それから家に帰ってから一度、おばあちゃんに電話をかけよう。