「あー…それ今言う?」 「はい?」 頭を抱えるようにして、俯いた坂野先輩。 どうしたのだろうと思ったけれど。 「俺も良い後輩を持ててよかったよ。 与倉さんの言葉に救われたからね」 「えっ…」 「自分が何をしたいのか、ちゃんと向き合うことにするよ。両親の意見は関係なしにさ」 「坂野先輩…」 強く決心したような表情。 坂野先輩は坂野先輩なりに、何か抱えるものがあるのだろうけれど。