「ほら、どうして“ヒロキくん”と連絡とってるの」 「あっ…」 返信に悩んでいると、坂野先輩にスマホを奪われてしまう。 「苦しいだけだよ、今日くらい忘れてもいいんじゃない?」 「……そう、ですよね」 だって苦しいことばかり。 8歳差って、こうもうまくいかない。 落ち込んで、うなだれて。 ある意味振り回されるばかり。 もう今日は忘れよう。 そう思っていたけれど─── 「……しつこいね」 私のスマホが音を鳴らした。 恐らく電話が来たのだろう。 まるで心配性の親のようだ。