単なる過保護に過ぎなくて、私に同情して。
なんて、紘毅くんのことを疑ってしまう自分も嫌だ。
けれどこれはきっと、歳の差のせい。
8歳の間が私を苦しめる。
「ううん、ひとりで作るよ大丈夫!今日はクリスマス仕様にするんだって気合い入れてるから!」
我ながら自然な笑みを浮かべることができた。
紘毅くんは疑うことなく、笑顔で了承してくれた。
やっぱり恋心というものは封印すべきなのだろうか。
紘毅くんの本心がわからないけれど。
今の私たちは単なる同居人であり、恋人でも何でもない。
楽しみだったはずのクリスマス。
その気持ちさえも消えてゆく。
それでも笑おうと頑張って、平気なフリをして。



