ショッピングモールから歩いて数分、駅が見えてきた。 その時信号が赤になり、素直に立ち止まる。 袋にぶら下がっている南瓜の重みを意外と感じつつも、向かいに見える駅前の広場を眺めていると─── 「……え」 思わず目を見張った。 息を呑んだ。 真っ先に視界に映ったのは、駅近くのケーキ屋さんのロゴが入った袋を持っている、男の人の姿。 なんとなくシルエットが紘毅くんに似ていたため、はっきりと視界に映せばやっぱり彼で。