「それに詩織ってすぐ流されそうだしな。
早く俺だけのものにしたい」
「えっ…私って今は紘毅くんのものじゃないの?」
「卒業まで我慢するって何回言えばわかんだよ」
じゃあ事実上では両想いなだけで、恋人関係ではないってこと?
そんな…てっきり恋人関係と考えていいものだと思っていた。
普通に恥ずかしい、私だけ浮かべていて。
「我慢できてないけどな。
詩織が俺を誘惑するから」
「ゆ、誘惑…!?」
そんなことした覚えないというのに。
紘毅くんという人は、真面目なのか不真面目なのかわからない。
卒業まで付き合うのも結婚も我慢って言っておきながら、さっきも私にキスをしてきたくせに。



