無理していないといいけれど…嬉しい気持ちのほうが強いのが正直なところ。
「じゃあ先に車取りに行ってくるから」
「……うん」
本当は一緒に家を出たいけれど、ここは我慢である。
今までそれを徹底してきたため、変な噂を立てられることなく平穏に過ごせているのだから。
「なあ、そんな顔すんなよ」
「えっ…」
「一緒に行くか?」
「……っ!」
パッと顔を上げれば、私に手を伸ばす紘毅くんの姿があった。
「い、いいの…!?」
「本当は避けるべきだけど、クリスマスって言い訳で」
「一緒に行きたい…!」
少し憧れていた。
好きな人とこうして並んで、外に行くことを。



