「紘毅くんが急いで帰ってきてくれたの、嬉しいなって…お帰りなさい、紘毅くん」 今更ながら出迎えの言葉を放つ。 少し紘毅くんは固まった後、今度は意地悪そうな笑みを浮かべた。 なんとなく、嫌な予感がする。 「何、俺がいなくて寂しかったか?」 「…っ」 ネクタイに手をかけて、私のそばまでやってくる紘毅くん。 オトナの色気しかない。 かっこよすぎて直視できないというか…どうしたものか。 「目、逸らすなよ」 「うっ…」 視線のやり場に困っていると、それを指摘されてしまう。