突然ドアの鍵がガチャリと回される音がした。 「え…」 「悪い詩織、遅くなった!」 「紘毅くん、だ…」 駅から走ってきたのか、少し息が乱れている。 「え、でも連絡…」 慌ててスマホを見るけれど。 やっぱり紘毅くんからの連絡は入っていない。 「え?俺、連絡してなかったか?」 「う、うん…」 「じゃあ文字だけ打って送信できてなかったかもしれねぇな」 紘毅くんは自分のスマホを確認し、私に画面を見せてきた。