「それに籍入れとけば周りの目を気にする必要はなくなるから、堂々と二人で外に出歩ける」

「うっ…」
「キス以上のことも気にせずできるしな?」

「そ、それは変態…!」


全く、後者が本音ではないかと思ってしまうほどだ。
それでも紘毅くんは本気のようで。

ぐらりと揺れる心。
こんな風に求婚されるとは思わなかった。


「俺はこれからも詩織と過ごせたらなって思う。物件探しするなら、俺と二人で住む家を探すぞ。それ以外は許可しねぇ」

「でも、ずっと家にいるのは迷惑じゃ…」

「もう詩織がいない毎日のほうが考えられねぇんだけど。責任とって欲しいくらいだな」


甘い言葉。
このまま流されてしまいそう。


「本当にいいの…?」
「だったらこんな嫉妬してねぇだろ」

「…うん、これからも紘毅くんと一緒がいい」


ギュッと、もう一度抱きつく。
まさかここで恋が実だなんて。



「じゃあ、もう離れたりするなよ」
「しない…絶対にしない」


どうしよう、今すごく幸せだ。
自然と頬が緩み、紘毅くんに抱きつく私。

もう無理して忘れなくていいんだと思うと、嬉しくて仕方がなかった。