「…っ、だからそんな顔すんなよ」
「え…」
「いつからそんな女みたいな顔、するようになったんだ?」
「……んっ」
今度は優しいキスを落とされる。
それから額をくっつけられ、さらにふたりの距離が近づいたような感覚だ。
「元はと言えば、詩織が坂野って男と関わったのが悪いんだからな」
「私のせい…?」
「最初から家まで送ってもらってただろ」
「え、どうして知って…」
「コンビニ寄った帰りにふたりで歩いてんの見かけたから。警戒心もなく家の前まで送ってもらって、バカなんじゃねぇの」
怒られる、紘毅くんに。
拗ねているように見えなくもない。
なんだか紘毅くんがいつもより子供に見えた。



