永久溺愛〜オトナの独占欲は危険です〜




「詩織」
「……あっ」


呆然と立ち尽くしていると、いつのまにか坂野先輩の姿が消えていた。

近くで紘毅くんが私の名前を呼び、ハッと我に返る。


「あ、ひ、紘毅くん…買い物行ってたの?」

慌てて紘毅くんの元へ行き、マンションの中へと入った。


「ああ、寒いし温かいもん作ろうと思って食材調達してきた」

「言ってくれたら買いに行ったのに」
「そこまで任せてられるか」


良かった…のだろうか。
紘毅くんがあまりにもいつも通りで、安心する反面少し残念だ。

先ほどのことに全く触れようとしてこない。


紘毅くんの視点だと、唇にキスしたように見えたかもしれないのに。

私の恋愛事情には興味がないということか。
親のような発言もなしだ。