「なんて、与倉さんに限ってそれはないよね。じゃあ行こう、女の子が好きそうなところ見つけたんだ」
ここの近くだと言われ、歩くこと10分ほど。
連れてこられたのはパンケーキのお店で。
少し列ができている。
「あ、ここって有名なお店ですよね…!」
私も何度か耳にしたことのある、有名なパンケーキのお店だ。
意外と近くにあると文香も言っていたが、こんなところにあったのか。
あまり人目がつかない場所なのだが、列ができるほど人気なのだ。
「そうみたいだね。
少し並ぶけど大丈夫?」
「はい…!一度は行ってみたかったので嬉しいです」
甘いものが大好きな私にとって、ここは外せない場所だ。
坂野先輩と最後尾に並ぶことにした。
「与倉さんって感情表現が豊かだね」
「えっ…」
「喜怒哀楽がはっきりしててわかりやすい」
それは褒めているのだろうか。
わからないけれど、褒められている気はしない。



