『うん、そうだよ。 何、楽しみにしてくれてるの?』 「そ、そういうわけでは───」 紘毅くんの行動が読めないでいると。 今度はスマホを持っている私の手首を掴んできて。 「さ、さっきから紘毅くんは何し…んっ」 さすがの私もスルーできないと思い、突っ込もうとしたけれど─── 紘毅くんがそれを許してくれなかった。 唇に感じる柔らかな感触。 ほのかにアルコールの香りがする。 少し冷たいそれは一体何なのか、理解するのに時間を要した。 視界には好きな人の顔がドアップで映って。 今、何が起きて…?