平日の昼下がり、街行く人々と通り過ぎながら、俯き加減で道を歩く。

携帯をカバンから取り出しながら、友達のグループラインに意を決死って文字を打った。


『今日、正式に大学中退してきた!暫くは、やりたい事探しするつもり。
落ち着いたらまた連絡するね👋』


私は、今日大学を止めた。2年間、大学生と過ごしこのまま就職する事に迷いを覚えたのだ。
学生時代、自分の人生について見つめ直す事なんてよくある事なのかもしれない。

(やっぱり、皆には理由を話しておくべきだったかな…。)

そう私には、大学生活で仲良くなった友人にも話すことができなかったものがあったのだ。

下げていた頭を軽く上にあげると丁度前からスーツを着た一人のサラリーマンが歩いてきていた。
そこまでだったら、何気ない日常風景なのかもしれない。
でも、私の目には彼のまとっている色に目がいってしまう。

(赤色、、。)

私は、オーラを見る事ができるのだ。

その事を知っているのは、家族のみ。他の人には、一度も話す事なく今日まで過ごしてきた。