side 希心

「…はぁっ…っは…」

私はただひたすら走っていた。
あてがある訳でもなくただ走っていた。
現実から逃げるように。
でも実際は助けを求めていたのかもしれない。



「…今何時なんだろ。」

周りは人気もなく真っ暗で。
疲れ果てて動けなくなっていた私の目の前に人が現れた。