君のとなり。

「なら俺も春瀬と一緒に......」

鳴海くんが言いかけた瞬間、
乃南が大声で彼を呼んだ。

「あのさ~、希衣。
ちょっと鳴海くん借りてもいい?
鳴海くん試しに私と二人三脚の練習
やってみてくれないかなー?
なんかね、身長差ありすぎて
草加くんとやるとヤバいんだよね。」

あぁ、乃南は草加くんとペアなのか。

草加くんはうちのクラスで
背が小さい可愛い系の男子だ。

逆に乃南はクラスの女子で
1番背が高いから私と鳴海くん
よりも身長差がすごいんだよね。

鳴海くんは断ろうと思ったのか
少し眉をひそめながら口を開いた。

でも、きっと乃南だって
ほんとに困ってるんだろうし。

私は鳴海くんよりも素早く
乃南に向かって叫んだ。

「いいよー。ちょうど私、今から
練習を抜けるとこだからー。」

「ちょっと春瀬!
俺はお前についてくって。」