君のとなり。

担任が職員会議を終えて私たちを
集合させるまでの約30分。

私と鳴海くんのペアは
途方に暮れていた。

「あのさ、鳴海くん。」

「あのさ、春瀬。」

私たちは顔を見合わせて
大きなため息を1つ吐きだす。

「「息、合わないね?」」

他のペアはかなり足取りが揃って
きているのに、私たちはまだ
3歩進むのも危ういくらいだ。

身長は私が162cmで鳴海くんが
176cmだから身長差があって
当然のように歩幅も全然違う。

鳴海くんはクラスの男子で
1番背が高いから身長差は
覚悟してたけど、これほどまで
とは思ってなかったなぁ。

「春瀬、もう1回行くよ。せーの!」

身長差に気をとられていて、
ハッとしたときには鳴海くんは
もう1歩を踏み出していた。