君のとなり。

そんなことを言いながら
運動場に出ていくと、
ぐいっと腕を掴まれて上から
低音の声が降ってきた。

「はーるせ。早く練習しよ?」

「な、鳴海くん。ん、練習しよ。」

2人の足をハチマキみたいな
細長い布で縛って肩を組む。

鳴海くん、身長高いなぁ。
肩を組んでみて初めて鳴海くんの
男子っぽいところに気付いて
顔が赤くなる。

するとハチマキを縛っていた
鳴海くんが私の耳元で囁いてきた。

「さっきはごめんね?俺もちょっと
言い過ぎたなって思った。向田の
言葉がめちゃめちゃ頭にキてさ。」

私があのとき言い過ぎだって
言ったから謝ってくれてるんだ。

「鳴海くんが謝ることじゃないよ。
むしろ言ってくれてありがとね?
私1人なら言い返さなかったから。」

鳴海くん、優しいなぁ。