君のとなり。

私は自分の席から離れた
教室の反対の隅の方でせっせと
後輩に渡す資料をつくっている
紫苑のところに歩いていって
尋ねてみた。

「紫苑、今年の学年企画って何?」

すると彼はジッと考え込んで
それから閃いたように顔をあげて
こちらをみてきた。

「多分、あれだよ。二人三脚カフェ?
みたいなイカれた企画だったと思う。」

紫苑と私は同じ幼稚園に通ってて
すごく仲良しだったらしいけど
小学校が違って、それから中学に
なって再会した。

今ではサッカー部のエースですっかり
イマドキ少年になった紫苑に
私は再会してすぐの頃は紫苑が本人だと
信じられなかったくらいだ。

っていうか。

「二人三脚カフェ?」

何、その怪しそうな企画は。