君のとなり。

「......じゃあ、私はこれで。」

立ち去ろうとすると須々木先輩と
呼ばれていた人に呼び止められた。

「ねぇ、君。君がいると鳴海のやる気が
出るみたいだから練習見ていかない?」

「すいません、委員会があるので。」

それだけ言うと私は少し頭を下げて
体育館を後にした。

「そっか、また来てね。」

そう言ってくださった
先輩の言葉に返事も返さずに。

委員会があるなんて、嘘だ。

本当は怖かっただけ。

教室に帰るとそこは私のいない間に
クラスメートがほとんど揃っていて、

皆は私がドアを開けた音に反応して
一瞬こちらを見たけれど原因が私だと
いうことが分かるとそれぞれの作業に
戻っていく。