君のとなり。

直後に鍵を閉める音がして
私は焦りながらドアを叩く。

「ちょっ、侑紀!
教室いれてってば。」

タオルを持ったまま廊下から
抗議すると窓がガラリと空いて
侑紀が顔を出した。

「ダメ。クール王子にそのタオルを
届けてくるまで希衣は教室に
入れてやんないから。あ、てか
乃南じゃん。おはよー。」

「おっはー。なになに?希衣を
追い出そうの会でもやってんの?」

「そうそう、優しい希衣にも
時には愛の鞭が必用だからね。」

2人が会話するなかで、
私は覚悟を決めて男バスが朝練を
している体育館1階に足を向ける。

「いってくる。」

「よく分かんないけどいってら。」

「がんば!応援しとくー。」

そして、1歩目を踏み出した。