君のとなり。

「はい、授業はじめるぞ。」

去年、赴任してきたうちの学年の
副担任が私たちの数学教師。

漢字が苦手でよく書き間違えるけど、
教え方は丁寧で分かりやすい。

授業開始から5分後、教師が
鳴海くんの席の前に仁王立ちした。

「鳴海、起きろ。おい、鳴海。」

大声で呼び掛けているけれど、
鳴海くんは全く反応を示さずに
すやすやと寝息をたてている。

「起きろって!ほら!」

最終的には数学の席で隣の古賀くんに
背中をばしりと勢いよく叩かれて、
大あくびをしながら起き上がる。

「やっと起きたか、鳴海。
あんまり寝てると置いてかれるぞ。」

「ん......ふぁあ。」

あんなにいつも寝てるのに、
αクラスにいる鳴海くんって
いったい何者なの?