君のとなり。

モヤモヤした気持ちのまま、
百人一首大会は終わっていった。

「古賀くん、カッコよかったよ!」

「選抜チームで3位とかすごい!」

教室まで帰るときも古賀くんの周りには
たくさんの取り巻きがついていて、
古賀くんのことを褒めまくっていた。

古賀くんも流石に少し恥ずかしいのか、
頬を赤色に染めている。

「1位はみやさんでしょ。
あれ、そいえば2位って誰だっけ。」

「えーっと、希衣じゃね?たぶんだけど。」

そんな会話が聞こえて、胸がきゅっと
締め付けられるように痛んだ。

「あー、そっか希衣かー。」

「なんていうか、ちょっと微妙だな。」

今すぐ走って逃げたい気分になる。

微妙って......傷つくなぁ。
でも、傷ついているところを
絶対に相手に見せちゃいけない。

面白くないやつって思われてしまうから。