君のとなり。

別に何か言ってほしかった訳じゃない。

そんなの誰も望んでないよ。

なんだか無性に泣きたくなって、
涙が零れてしまわないように
下唇の内側をぐっと噛み締めた。

口の中は、鉄の味がする。
ちょっと強く噛みすぎたかもしれない。

百人一首は1人どんよりとした空気の
私をおいて続いていく。

「さしもしらじな、もゆるおもひを~。」

先生が58句目のカードを詠み終えた
ところで、チャイムが鳴った。

あぁ、やっと地獄の時間が終わる。

「自分のカードの枚数を数えてから
班ごとに片付けて良いわよ~。」

自分の手元に視線を落とす。
ざっと数えて、カードの数は20枚。
まぁ、上出来かな。

同じ班では、25枚をとった宮前さんが
がっつり1番になったみたいだ。