君のとなり。

「みんなすごい!取るねぇー。
次、しのぶれど~。」

来た。
私が本気で狙うたった1枚。
でも、この札は宮前さんも狙っているはず。
しの、の時点で手が動いた。

「はい!......やった。」

取った直後に宮前さんの手が
私の手の上に勢いよく叩きつけられた。

しのぶれどが取れたのは、嬉しい。

自然と笑みが零れる。

満足だったけれど、作法室は私が
取ったと分かった瞬間に、
いたたまれないほどの
異様な静けさに包まれていった。

そして数秒が過ぎ。

「なんか言ってあげなよ~。」

「ぷっ、あはは。ごめんってば。」

嫌な笑顔が私を除け者にして交わされる。
私は何も言わずに下を向いた。