君のとなり。

なにも答えない私に、彼は
ゆったりとした歩調でこちらに
歩いてきてうつむく私の机の前に
立つとそのまま続けた。

「春瀬見てると、辛くなる。
そんなに自分を傷だらけにしてるのに
それでも平然と笑っててさ。」

「.........私は大丈夫、だから。」

苦し紛れにそう返せば、
2人の会話が途切れる。

なんで鳴海くんは、私が周りに
嘘をついてることを知ってるんだろう。

意味、わかんない。

「そっか。春瀬、よく寝ろよ。」

そう言って鳴海くんは荷物だけ置くと
そのまま部活の朝練に出掛けていった。

「あれが天下のクール王子。」

彼は誰に対しても塩対応な
クール系の王子様って言われてる。

笑った顔は、超レアらしいよって
いつか侑紀が教えてくれた。