青い春と出会った恋


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「よう桜木」

「あ、おはようございます」

悠馬と教室に向かっていたら廊下で部長に会った。


「今から桜木のクラスに行こうと思ってたんだ」
「え?そうなんですか?」

「これ返そうと思って」

部長はリュックから見慣れた水筒を出した。

「あ!」

昨日部長に渡したことをすっかり忘れていた。

「うまかったよ。サンキューな」

「いえ!気にしないでください」

「じゃあまた部活で」

去り際にわたしの肩を軽くポンッと叩いて行った。

…なんかこういうところが、同級生とは違ってスマートというかクールというか。

やっぱり先輩なんだな、と改めて感じる。


「随分と仲よさそうなんだな」
真後ろでそう言われ、悠馬がいる事を忘れていたわたしは驚いた。