青い春と出会った恋

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悠馬から電話が来たのを合図に、わたしは家を出て悠馬の車に乗り込んだ。

「お待たせ!」

いつもと変わらない悠馬の姿に安堵した。


「そういえばもうすぐ大会だろ?」

「あ、うん。そうなんだよねー」

「花音も出るんだろ?」

「うん。団体戦で出るんだけど、中って言って3回目にやるの」

1年生のわたしが大会に出れるとは思わなかった。
だけど、経験者というのもあり、選手として選ばれた。

だから余計に勉強にも手を抜けない状態になってしまったのだ。

「それいつ?」

「えっと…8月の5日だったと思う」

「へー、じゃあ試合見に行ってやるよ」

「え、ええ!?いいよ!」

引退するから最後の大会で来てくれる、というのはわかるけどそういうわけでもないし、それに言ってしまえばまだ初戦だし、わざわざそんな日に見に来てくれなくても…。

そう思ってわたしは悠馬の誘いを断った。