「きょ、今日なんだけど…別に遊んでたわけじゃなくて…勉強が捗らなかったからちょっと部室によって気分転換しただけなの。だからはじめはちゃんと勉強するつもりで…」
なんだか謝るつもりが、言い訳みたいになってしまった。
『あーその事か…別に遊んでたなんて思ってねえよ』
「え?ほ、ほんと?」
『あぁ、…随分部長と仲いいんだな』
「まあ部員数少ないしね。それにあんまり上下関係に厳しくないの」
『ふーん…まあ、悪かったよ、朝つっかかって』
わたしが謝るつもりが、何故か悠馬に謝られてしまった。
「え、違う違う!わたしもなんかごめんね」
『ははっ、なんかってなんだよ』
その悠馬の笑い声に安心した。
やっぱりギスギスした関係のままではいたくない。
そして、一見クールで他人とは必要以上に教理を縮めたりはしないように見えるけど、案外優しい。
今はもうないけど、子供の頃に喧嘩などしてわたしが泣くと必ず悠馬の方から謝ってくれた。
それからしばらく話し込んでわたし達は電話を切った。

