わたしが返答に困っていると部長の方から口を開いた。
「ちょうど英語は最初の文法からやり直しないと思ってたんだ。だからついでだし、桜木が嫌じゃないなら。まー考えといてよ」
わたしに気を使わせないために部長がそう言ってくれた、ということはすぐにできた。
そして考える時間をくれた事もきっと部長の優しさなのだろう。
「じゃあ放課後」
「あ、はい」
部長はそのまま2階を通り過ぎて階段を上がっていった。
「おい花音」
振り返って歩き出そうとすると後ろから大声で名前を呼ばれた。
「あー悠馬。おはよう」
「お前朝から勉強するんじゃなかったのかよ」
「え?してたけど…なんで?」
「じゃあなんで部長と一緒にいたわけ?」
何度か悠馬と朝歩いている所で部長とあっているため、悠馬も部長の顔を知っている。

