「…わかった」
めぐは少し悩んだが、3人の要件を承諾して動画を消した。
「ほら、これで良いでしょ」
画面を見せてフォルダに動画がないことを確認すると、3人は逃げるようにその場から離れた。
「はぁー緊張した」
口から重い溜息が流れた。
とは言うものの、わたしはなにもしていない。全てめぐがやったことだ。
めぐがいなくてわたし一人だったら何もできなかっただろう。
とても頼りになる友達だ。
「ありがとね」
「全然!それより見て」
めぐは悪そうな笑みを浮かべて、消したはずの動画を再生してわたしに見せた。
「え?これ消したんじゃ…あ!」
もしかして、と思いめぐを見た。
「よくある手でしょ。消したって見せかけて、でも消去フォルダーにはまだ残ってるってやつ」
一芝居うった後の小悪党みたいな顔をしている。
「これLINEで花音にも送っとくね。もし3人からまた嫌がらせされたらそれ見せたら良いし」

