それからなんの躊躇いもなく慣れた手つきで教室へと入って行った。
めぐは尽かさずスマホのロックを外しカメラモードに切り替えた。
わたしは少しうろたえながらも、めぐのあとを追うように教室をでた。
めぐは素早くわたしの教室にたどり着くと、後ろのドアの窓から教室の中の様子を覗いた。
わたしもめぐの後ろから覗くと、3人のうちの1人がカバンの中から手紙を取り出すのが見えた。
「あ!」
小さく声が漏れ、慌てて閉じた。
どうやらめぐはムービーを撮っているようでカメラの視線をずっと教室に向けていた。
するとそこからは想像通り、いつも通りと言わんばかりに迷うことなくわたしの机を見つけ出しそこに手紙を入れた。
「ちょ、ちょっとめぐ一旦隠れよう!」
証拠映像も取れたしわたしはこれで十分だと思った。
しかしめぐは一向に動く気配がない。
3人が教室を出ようともう一つの扉の方に近づいていく。
もしかして、このまま対面するつもり?
それを確信すると、わたしを決意をして息を呑んだ。

