「大丈夫かなー?」
「まーなんとかなるっしょ」
心配と不安な気持ちでいっぱいのわたしとは違ってめぐはかなりお気楽だ。
「あ、そうだ!」
急に何かを思い出して、カバンの中をゴソゴソと漁りだした。
「じゃーん!」
めぐは手に持っている黒い塊をわたしに見せた。
「え、これって…」
ニヤニヤと悪そうな笑みを浮かべているめぐを見て嫌な予感がした。
「ウィッグでーす」
得意げにそう言うめぐに「なんで!」とツッコミたくなるのを抑えた。
「え、それどうするの?」
「そりゃ花音が変装できるように持ってきたんじゃん」
「変装!?」
「だって花音がわたしのクラスに居て見張ってる、ってバレたらまずいでしょ?これ被ってたらとりあえずぱっと見は花音に見えないし」
「いやいや、もし主犯がめぐのクラスの人だったら、クラスに怪しい人がいるってなるくない?」
「あーほんとだ」
わたしの一言で急に図星を疲れたかのように、めぐのテンションが一気に下がった

