青い春と出会った恋


「わたし職員室に行って鍵を借りた時に、花音のクラスの担任がいたから聞いたの。何時頃に鍵を閉めたかって。そしたらダンス部の人たちが放課後少し使ってたみたいで中沢さんって人が5時ごろ鍵を返しにきたんだって」

中沢さん…。
「な」と言うことはわたしの隣の列くらいに座ってるかな?

そう思って記憶を呼び覚ました。

それよりもそろそろクラスの子の名前くらい覚えないと。

「なんか放課後、教室で何人かと練習してたっぽいから、もし朝早くに行って手紙があったんなら直接中沢さんに聞けばよくない?犯人見てる可能性があるし、中沢さん自身が犯人かもしれないし」

「えぇ!」

「あくまで可能性の話だけど」

「あぁ、そうだよね」
その一言で冷静さを取り戻した。


もし中沢さんが犯人なら、これから1年間クラスメイトとしてやっていくのに、今後が気まずくなるから、できれば他クラスの人であってほしい…と刹那に願った。


「どう?」

朝早く行くだけで犯人が分かって、嫌がらせがなくなればわたしも今後安心できる。

「うん!明日試してみるよ」