それからめぐの話を聞いていると、どうやらめぐはもう行きたい大学をもう決めているらしい。
法律が学べる大学に行きたいんだそうだ。
まだ一年生なのに凄い、という率直な気持ちと、自分はまだ何も考えていないというこの差に少し焦りを感じた。
中学からかなりハードに弓道はやってきたけど、言ってしまえばわたしにはそれしかない。
ーー悠馬たちは何か考えているのだろうか?
そんな不安な気持ちが一気に押し寄せてきた。
そんな中、上履きを履き替えようとロッカーに行くと、めぐがスマホを忘れたことに気づき一人で教室に戻った。
「じゃあ、そこのベンチで待ってるね」
校舎の外に設置されているベンチを指差してめぐに伝えた。
「ごめんねー」
めぐが今さっき歩いてきた方向へと戻って行くのを確認すると、外履を取り出すためにロッカーを開けた。

