だけど教室まで来た、ということは手紙の忠告に従わなかったわたしを懲らしめに来た、というところだろうか。
ただでさえ、こんな豪華な校舎で肩身の狭い思いで入学しているのに、これ以上目立つようなことは極力避けたい。
けれど彼女達の言いなりになって、悠馬を避けることもしたくない。
わたしがこの学校に通えているのは彼のおかげなんだから。
悠馬がわたしを避けることは許せても、わたしの方が悠馬を避けるのはやっぱり納得がいかない。
悠馬にも危害が及ぶなら考えものだけど、この感じだと悠馬には手を出さなさそう。
穏便にことが運んだらいいのに…と思っていたけど、これ以上この手紙が続くなら動いた方が良さそうな気もする。
ただ誰からの嫌がらせか全く分からないのが難だ。
わかりやすく送り主を書いてくれればいいものの、そうしない事にも苛立ちを感じる。
手紙の事は翔也と美希ちゃんは知っている。
手紙をもらった初日に二人の前で封を開けたからだ。
美希ちゃんはかなり心配してくれているようだけど、今の所まだ手紙だけで済んでいて実害がないのが手の出しづらいところでもある。

