青い春と出会った恋



すると「ぶはっ」と空気の漏れる音が聞こえた。

「冗談だよ」
笑いながら力強くわたしの頭に手をおき髪を乱した。


「ちょ、ちょっと!」
朝からセットした髪がこの一瞬で台無しだ。

そのわたしの乱れた髪を見てさらに楽しそうに笑った。
「その髪もなかなか似合ってるよ」

意地悪そうにそう笑う悠馬を見て、やられたと思った。


ーーわたしがからかったつもりなのに、やり返されてしまった。

車の窓ガラスに映った自分を見て、髪を手櫛で解いて整えた。


どうして、こういつもしてやられるんだろうか。

子供の頃からいつもそう。
こういう時は限って悠馬の方が一枚上手だ。

腑に落ちない気持ちのまま、学校にたどり着いた。