悠馬はそんなわたしの様子を見て、「ぶはっ」と笑った。

そして右手をわたしの頭の上に乗せて、優しく撫でた。


「じゃあな」

それだけ言うと、今度は本当に帰っていった。


わたしは悠馬の姿が見えなくなっても、その場から動くことができなかった。



どれくらい、その場に立ち止まっていたのかわからない。
それに、どうやって家に帰ったのかも覚えていない。


部屋に着くと、倒れこむようにベッドにダイブした。


そして、なにが起こったのか、頭の中を整理させようとした。

だけどさっきの悠馬の姿を思い出すだけで、顔から湯気が出るくらいに熱くなってしまう。


ーーいつから?


少し冷静になると、そんな疑問が浮かび上がってきた。

小さい頃から知り合って、だけどそんなに会う機会もなく、頻繁に会うようになったのは高校生になってからだ。